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竹内栖鳳・談

今日の担当:お父さん

北海道からとんぼ返りした日、大きな荷物を抱え、羽田空港から恵比寿に直行した。

「没後70年 竹内栖鳳~京都画壇の画家たち」展(山種美術館)の関連イベントで、日本美術史家の山下裕二先生による講演会。会場の國學院大學院友会の地下ホールは、ほぼ満席。

山種美術館の館長・山崎妙子さんの挨拶の中で、「栖鳳絣」の紹介があった。栖鳳が《絵になる最初》に描いた着物を、当時、高島屋が「栖鳳絣」として売り出したところ、大流行したとのこと。栖鳳の外孫にあたる伊藤朗さん(御年87歳)が持参された現物が、会場に展示されていた。羽織に仕立て直された「栖鳳絣」は、なかなかモダンで洒落ている。

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山下先生は、「東の大観、西の栖鳳」と並び称された2人の知名度が、その後大きく変わり、大観の展覧会のみ頻繁に開催される現状について、話を始められた。

その理由として、横山大観(1868-1858)は戦後も長く生きたが竹内栖鳳(1864-1942)は戦前に亡くなった、院展の流れで大観が神格化された、戦後の「東京一極集中」、等などが考えられるという。「義憤にかられる」、「この義憤が、展覧会を企画する動機になる」、とも。

続いて、60以上の絵画作品を次々に投影しながら、レクチャーして頂いた。

最初の作品は、《班猫》。山下先生曰く、「圧倒的に一番好き。落款の位置も考え抜かれている。毛描きにリアリズムとして、"金"が使われている。中国絵画を参考にししつつ、猫をよく観察して描いている」。モデルとなった猫の写真も見せて頂いた。栖鳳が沼津の八百屋で見かけて、どうしても連れて帰りたくなり、自分の描いた絵と交換して貰い受けたという。

「芦雪のスタイルを意識したのでは」、と説明された《象図》のようなダイナミックな作品もあれば、《干柿》、《緑池》等、愛らしい作品もある。「栖鳳のイメージを逸脱している」童画のような《熊》には、会場から思わず笑いが湧きあがった。

山本春挙《ロッキーの雪》、都路華香《吉野の桜》、円山応挙《虎図》、長沢芦雪《岩上双鶴図》、森狙仙《春風猿語図》、森寛斎《高砂》、川端玉章《海の幸図》、呉春《落葉詩客図》、等など、円山四条派、京都画壇の作品も、数多く解説して頂いた。

最後に投影頂いたのは、最晩年に描かれた《春雪》。小舟の舳先にカラスがとまっている。カラスの眼は何故か描かれていない。栖鳳の絶筆と知ると、感慨深いものがある。

「栖鳳は、"絵になるな"と思った刹那のイメージを絵にした。瞬間的な把握力に優れていた」、という山下先生の言葉も印象に残る。

「日本美術全集」(小学館)の紹介もあった。全20巻、1巻15,000円。今年12月から、2ヶ月毎に刊行。大判の日本美術全集は、講談社版が出版されて以来で、20数年振りとのこと。山下先生と辻惟雄さんが全体を監修、「最新の研究成果を反映させて、日本美術史を書き換える! 」、と力強く仰っていた。読みたい! ちょっと(かなり)高いけど。

豊富な知識と独自の視点で切り込む山下先生ならではの、魅力的な講演だった。

竹内栖鳳展、早く観に行かねば、ねばねばねば。  ■

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Author:Lafie & Papa
トイプードルのLafieの趣味は、くう・ねる・あそぶ。人間のお父さんの趣味は、ランニング、美術・音楽鑑賞、読書、ワイン・芋焼酎・その他飲食など。まあ、似たようなものです。
訪問頂き、有難うございます。

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