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鈴木其一の魅力

今日の担当:お父さん

4週間ほど前になるが、江戸絵画の講演会に行った。

「酒井抱一と江戸琳派の全貌」展に合わせて企画された講演会で、講師は河野元昭さん(秋田県立近代美術館館長)。題して、「鬼才・鈴木其一の魅力」

20111106a04

河野元昭さんは、小林忠館長の2年後輩(東京大学文学部美術史学科卒)で、お2人に河合正朝さん(慶応義塾大学名誉教授)を加え、「日本美術史家の3K」、と呼ばれているという。3Kかどうかは別にしても、重鎮であることは間違いない。河野さんは、「小林さんも、私も、痛風です」、とも。

河野さんから、「江戸美術は、3期に別かれる」、という指摘があった。
 前期(17世紀):新古典主義
    宗達、狩野探幽、光琳。優雅で安定感がある。その後、古典になった。
 中期(18世紀):ロマン主義
    それぞれが勝手にロマンを求めた。統一的な美意識はなかったのでは。文人画、
    奇想派、浮世絵。円山応挙の写生主義は、応挙にとってのロマン。
 後期(19世紀):マニエリスム
    古典(琳派と中国の伝統)を学び(マニエラ=お手本)、自分の個性を加えて、
    時代のスタイルを作った。京都と江戸、2つのセンター。抱一、其一、国芳。


江戸絵画と染物との関係についての言及も興味深かった。等伯の長谷川家は能登の染物屋、光琳は呉服商。其一の父親は、紫染めの元祖と伝わっているという。江戸絵画の華やかで鮮やかな色感、装飾的な要素は、染物と関係があるのでは、と。

其一は江戸時代大変な人気があり、明治も人気は続いたが、次第に忘れられた、其一の面白さにあらためて気づいたのは、辻惟雄さんとジョー・プライスさんで、再評価という点でも若冲と似ている、と。 (僕自身、其一を知ったのは、ジョー・プライス/山下裕二共著の「若冲になったアメリカ人」だった。其一作品を見て、すっかり気に入った。ほんの2~3年前のこと。)

ここまで、時間にして45分。作品を解説頂く前に、講演時間の半分が経過した。造詣の深さ、情熱的かつ見事な饒舌ぶりには、驚くばかり。

この後、其一作品をスクリーンに投影して、解説して頂いた。

《夏秋渓流図》(根津美術館)は、其一が一番充実していた頃の作品、とのこと。優美で華やか。河野さんは、昭和49年にこの作品を初めて観た時、鳥肌が立ったという。所蔵する根津美術館でも、当時はあまり評価されていなかったらしい。

《風神雷神図襖》(東京富士美術館)については、「気持ち悪い、奇想の系譜」、とコメントされていた。確かに、風神雷神の表情、墨で一気呵成に描かれた雲の様子は、不気味で妖艶。

最後に解説頂いたのは、《芒野図屏風》(千葉市美術館)。「最高傑作」と評されていたが、とても素晴らしい作品だと思う。月光に照らされた芒(ススキ)野に夜霧が漂う様子は、幽玄で神秘的。現代のデザインに通じる面白さもある。

絵画の鑑賞法についての言葉も印象的だった。「絶対的な価値を見る方法と、比較して見る方法がある。比較する方が入りやすい。自分はどちらが好きか、それは何故か、を考える」

とても有意義な講演会だった。有難うございました。  ■

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Author:Lafie & Papa
トイプードルのLafieの趣味は、くう・ねる・あそぶ。人間のお父さんの趣味は、ランニング、美術・音楽鑑賞、読書、ワイン・芋焼酎・その他飲食など。まあ、似たようなものです。
訪問頂き、有難うございます。

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