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日本の面影

今日の担当:お父さん

演劇を観に行った。女優の紺野美紗子さんが企画された舞台。

 「日本の面影」 (朗読座プロデュース 第1回演劇公演)
   会期: 2012年7月12日(木)~ 7月25日(水)
   会場: 俳優座劇場(六本木)
   脚本: 山田太一 (以下、敬称略)
   演出: 鵜山仁 
   出演: 草刈正雄 紺野美沙子 長谷川稀世 金内喜久夫 瀬川菊之丞 ほか
   公式HP: www.konno-misako.com/htm/omokage.html

以下、案内文から。
ラフカディオ・ハーンは明治23年(1890年)40歳の時、日本を訪れる。日本に魅了され、"神々の国"島根の松江で英語教師になったハーンは、身の回りの世話をしてくれる士族の娘・セツと夫婦になる。日本の良きものを愛したハーンと、窮屈に暮らしていたセツが出会い、つくる家族、友人、「怪談」に代表される昔ばなし。 (中略) ヨキトコロ日本は、ハーンの心の中にだけある面影だったのか、それとも……

日本の面影

時は明治半ば。近代化が急速に進み、日清・日露戦争へと至る時期の日本。ハーンが移り住んだ、松江、熊本、東京が舞台になっている。

古き良き日本を愛し、それが失われつつあることを嘆くハーン(小泉八雲)を、草刈正雄さんが熱演。妻セツ役の紺野美紗子さんは、女性の慎ましさ、優しさ、そして芯の強さを、しっかりと表現されている。その身のこなしの、何と美しいこと。

ハーン夫妻の心情に寄り添う演出が、とても好ましい。中でも、「耳なし芳一」の怪談が登場する場面が、殊更に印象に残った。時空を超えた幽玄な世界。まるで能の舞台のようだった。秀逸!

「科学ハ世ノ中ダメニシマス」。 ハーンの言葉は、震災後、より一層響いてくる。

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紺野さんの流暢な方言も印象的だった。「そげなこと」、「~してごしない」、「あ~ますけん」、等など、懐かしい言葉のオンパレードが、何とも嬉しかったなぁ。

がいにエエ芝居だったけん、また見に行かないけんわ。だんだん、礼!  ■

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theme : 今日のつぶやき。
genre : 日記

オペラ・こうもり

今日の担当:お父さん

先週末、上野の東京文化会館にお邪魔した。

ウィーン・フォルクスオーパー来日公演 「こうもり」
 作曲: ヨハン・シュトラウスⅡ世
 演奏: ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団、同合唱団
 指揮: アルフレート・エシュヴェ
 演出: ハインツ・ツェドニク
 出演: セバスティアン・ラインターラー (アイゼンシュタイン、金持ちの銀行家)
      エリーザベト・フレヒル (ロザリンデ、その妻)
      ベアーテ・リッター (アデーレ、ロザリンデの召使い)
      マルティナ・ドラーク(イーダ、アデーレの姉)
      ダニエル・シュムッツハルト (ファルケ博士、アイゼンシュタインの友人)
      アルクサンドラ・クルーゼ (オルロフスキー公爵、ロシア貴族で遊び人)
      ヴィンセント・シルマッハー (アルフレート、ロザリンデの昔の恋人)
      クルト・シュライプマイヤー(フランク、刑務所長)
      ロベルト・マイヤー (フロッシュ、刑務所の看守)
      ロマン・マルティン (ブリント博士、アイゼンシュタインの弁護士)
      ウィーン国立バレエ団、等

オペラは、10年以上前に、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で、数回観た。

ウィーン・フォルクスオーパーも、「こうもり」のストーリーも音楽も、全く知らない。日経新聞社による「体験シートを購入できる抽選」に、幸いにも当選した。日本でオペラを観るのは、今回が初めて。

以下、オペラを語る資格が全くないことを承知で書いた、オペラ門外漢の私的メモ。

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いやぁ、大感激! 笑った、泣いた。面白かった!

ストーリーが実にしっかりしている。曲もいい。多彩な役柄の個性も素晴らしい。

「吉本新喜劇の人情コントを、立派なセットで再現。演技力抜群で実力派の歌手が、巧みに演じ、伸び伸び歌った」、と言ったら伝わるだろうか。

最も気に入ったキャストは、アデーレ役のベアーテ・リッターさん。リッターさんは、この日、イーダ役から急遽変更されている。コミカルな演技が、とにかくキュート。歌も素晴らしかった。

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ヒロイン・ロザリンデ役のエリーザベト・フレヒルさんは、貫禄の歌と演技。オルロフスキー公爵役のアルクサンドラ・クルーゼさんは、女性にも関わらず、男性役を堂々と演じていた。フロッシュ役のロベルト・マイヤーさん(ウィーン・フォルクスオーパーの監督!)のコミカルな演技も愉快だった。ウィーン国立バレエ団のバレエも、実に立派。

字幕が日本語で表示されるのも有難い。一部の日本語訳が、やや粗く感じたけれど。例えば、「焼酎」という訳。「酒」又は「強い酒」くらいが妥当ではないだろうか。「Das Internet」は「ネット」と訳されていたが、あの文脈の中では「インターネット」の方が誤解がないだろう、と思う。

この舞台のストーリーを、大雑把に要約してみる。

「古今東西いつの世も、男はスケベで酒飲みで間抜けで愛おしい、という事を、美しいワルツの調べに乗せて描いた、ユーモア溢れる華やかな舞台」

大雑把すぎ? それにしても楽しかったなぁ。 Danke schön!  ■

theme : 今日のつぶやき。
genre : 日記

レ・ミゼラブル♪

今日の担当:お父さん

先週末、谷川真理駅伝を走った後、日比谷の帝劇へ。

「レ・ミゼラブル」のミュージカルを以前見たのは、1987年と1988年。ジャン・バルジャン役は、鹿賀丈史さんと滝田栄さんだった。

それから20年余り。今回は、帝劇100周年を記念した、スペシャルキャストによる特別公演。

  【配役】 (敬称略)
    ジャン・バルジャン: 今井 清隆
    ジャベール: 鹿賀 丈史
    エポニーヌ: 島田 歌穂
    ファンテーヌ: 岩崎 宏美
    コゼット: 神田 沙也加
    マリウス: 石川 禅
    テナルディエ: 斎藤 晴彦
    テナルディエの妻: 鳳 蘭
    アンジョルラス: 岡 幸二郎
    司教: 林 アキラ
    ガブローシュ: 加藤 清史郎

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素晴らしい舞台だった!

ピカイチは、岩崎宏美さんのファンテーヌ。美しさ、逞しさ、意思の強さを、見事に演じていた。情感溢れる歌声に、涙腺は緩みっぱなし。今井清隆さんのジャン・バルジャンも良かった。緩急溢れる歌声と大きな演技が素晴らしい。

島田歌穂さんのキュートな魅力は、全く変わらない。石川禅さんの溌剌とした演技もいい。斎藤晴彦さんと鳳蘭さんの愉快な演技は手馴れたもの。神田沙也加さんのコゼットは、はまり役。鹿賀丈史さんは貫禄そのもの、だった。

ガブローシュ少年は、子供店長の加藤清史郎くん。ミュージカル初演とはとても思えない、元気一杯のしっかりとした演技だった。

舞台が終わった後、客席からの拍手が凄かった。スタンディング・オベーション。大きな歓声と拍手が、長く長く続いた。

20余年前、同じ演出、同じ舞台セットを観たはずだが、覚えていない場面もかなりあった。その一方で、大半の音楽に聴き覚えがあったのは、「聴覚から入力された情報は、長期記憶として定着しやすい」、ということだろうか。「民衆の歌♪」のメロディーが、耳に残って離れない。

伸び盛りの役者、今が旬の役者、そして円熟の役者が揃った、至福の舞台だった

楽しかったなぁ。 ■

theme : 写真日記
genre : 日記

現代狂言Ⅴ

今日の担当:お父さん

先週、国立能楽堂(千駄ヶ谷)へ行った。

2006年、ナンチャンこと南原清隆さんが、野村万蔵さんと旗揚げした「現代狂言」。今回で5周年になるとのこと。

 現代狂言Ⅴ 狂言とコントが結婚したら
   出演:南原清隆 / 野村万蔵 / 佐藤弘道 / ドロンズ石本 / 大野泰広 /
       森一弥・平子悟(エネルギー)/ 石井康太・中村豪(やるせなす)/
       ニコラス・ペタス / 山田まりや 
   演奏:和田啓 / 稲葉明徳
   演目:古典狂言「六地蔵」、現代狂言「五獣拳」、現代狂言「ドラゴンキャッスル」

打楽器と管楽器の見事な演奏で始まった。

座長のナンチャンが登場し、大きな笑顔で、「皆さん、笑って下さいね」と挨拶頂いた。続いて、弘道お兄さんと森一弥さんによる、ユーモアたっぷりの演目紹介。

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最初の作品は、古典狂言「六地蔵」。お堂を作った田舎者(ナンチャン)が、そこに安置する地蔵を求めて都に出てくる。仏師を探す様子を見かけた"すっぱ"(詐欺師、野村万蔵)が、仏師と名乗り出る。仲間3人(平子悟ほか)に地蔵のふりをさせて、田舎者を騙そうとするが...。3人で6体の地蔵に扮するという単純明快なドタバタ劇が、とても楽しい。ナンチャンの堂々とした所作と台詞も印象に残る。

二作目は、「六地蔵」を現代版にアレンジした「五獣拳」。空手の型をした5つの獣の像を探すデンマーク人(ニコラス・ペタス)。それを知った"伝説の詐欺師"(石井康太)は、仲間3人(佐藤弘道、森一弥ほか)に獣の像のふりをさせて、お金を騙し取ろうする。「六地蔵」の基本的な展開を踏まえつつも、巧みにアレンジされている。ニコラス・ペタスさんは、極真空手のK-1ファイターだけあって、動きのキレがいい。お尻をキックされた石井さんは、痛かっただろうなぁ。

最後の演目は、新作狂言「ドラゴンキャッスル」。就活中の「浦 島太郎」(ナンチャン)は、面接中に出会った亀(野村万蔵)に誘われて、海の中の「ドラゴンキャッスル」へ向かう。そこには、色々な魚がコンピュータで管理されていた...。現代の情報化社会への風刺もたっぷり。スケールの大きな作品で、魚の愉快な動き、客席を巻き込んだ演出も楽しかった。

最後に再び全員が登場し、挨拶と客席廻り。(ナンチャンと握手させて頂いた。)

大がかりな舞台装置は一切なく、しぐさと台詞で全てを表現する狂言。古典と現代を往来する、品の良いユーモア。初めて観た「現代狂言」は、実に面白かった。

「現代狂言Ⅵ」が、今から待ち遠しい。 ■

theme : 写真日記
genre : 日記

十二夜@渋谷

今日の担当;お父さん

渋谷、Bunkamura シアター・コクーンへ。

 「十二夜」
   原作: W.シェイクスピア
   翻訳: 松岡和子
   潤色・演出・美術・衣裳: 串田和美
   音楽: つのだたかし
   出演: 松たか子、石丸幹二、りょう、荻野目慶子、笹野高史、串田和美、他


昨秋、映画「約束の葡萄畑」を観にBunkamuraを訪れた際、行列があった。係の方に聞くと、演劇のチケット発売日とのこと。主演が松たか子さんと知り、その数日前に松本幸四郎さんの舞台を観たことを思い出し、不思議な縁を感じて、列に並んだ。

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演劇については(演劇についても)全くの素人で、年に数回観に行く程度だが、とてもとても感動的な舞台だった。今迄観た現代劇の中で一番良かった、ような気もする。

まず、舞台が始まってすぐ、松たか子さんに"ひと目惚れ"した。表情や動作の一つ一つに、キラキラとした魅力がある。うまく言えないが、豪華な花束ではなく、春のエネルギーを浴びた広い花畑のような感じ。"惚れた"相手が、松たか子さんなのか、松たか子さんが演じる役柄なのか、自分でもよく判らないけれど。(両方かなぁ。)

石丸幹二さん、りょうさん、荻野目慶子さん、笹野高史さん、そして串田和美さんの、個性的で手堅い演技も素晴らしかった。中でも、笹野高史さんの愉快で大きな演技は、驚嘆もの。

シェークスピアならではの長いセリフも楽しかった。舞台美術や衣裳もいい。

シェークスピア劇を、豊かな発想と構想力で"潤色"した串田和美さんの手腕に、大いに感心した。つのださんのリュートの生演奏も素敵だったなぁ。

素晴らしい舞台、有難うございました。 ■

theme : 日々のつれづれ
genre : 日記

舞台カエサル

今日の担当:お父さん

有楽町の日生劇場へ。
 
 『カエサル』
   原作:塩野七生 (「ローマ人の物語」新潮社刊)
   脚本:齋藤雅文、演出:栗山民也
   キャスト:松本幸四郎(カエサル)、
         小澤征悦(ブルータス)、小島聖(クレオパトラ)、
         小西遼生(オクタヴィヌス)、瑳川哲朗(ポンペイウス)、
         勝部演之(クラッスス)、水野美紀(アリス)、
         渡辺いっけい(キケロ)、高橋恵子(セルヴィーリナ)、他


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見ごたえがある、大きな舞台だった。

歌舞伎以外で幸四郎さんを観るのは初めてだったが、華のある存在感と演技力は圧倒的。

カエサルがポンペイウスの生首を確認する場面で、歌舞伎の「寺子屋(菅原伝授手習鑑)」が思い浮かんだ。菅原道真の遺児の身代わりになったわが子・小太郎の首を、松王丸が自身の目で確認する「首実検」。幸四郎さんの迫真の演技が印象的だった。(今年4月の御名残四月大歌舞伎)

紀元前1世紀のローマと、平安時代の日本。かつての盟友と、愛するわが子。政治の為と、報恩の為。時代背景も状況も全く異なるが、失った者への哀切という一点は共通している。

どのキャストも良かったが、中でも、高橋恵子さんの気品、渡辺いっけいさんの個性、そして水野美紀さんのコミカルな演技が、とても印象に残った。

カエサルは、無類の女好きで女性にモテモテ。莫大な借金を抱え、又とても寛容だったらしい。優れた文筆家でもあった。政治・経済・社会制度の大胆な改革を行い、そして暗殺される。学生の頃に世界史で教わったはずだが、ブルータスに暗殺されたことくらいしか記憶にない。海馬の働きが衰えているのかなぁ。とほほ。

女性に関心はあるがモテる訳ではなく、莫大な借金がある訳でもない。寛容でもない一市民として、「ローマ人の物語 ユリウス・カエサル」を読んでみよう、と思う。

学ぶべきことが、きっとあるだろうから。(女性にモテる秘訣も判るかなぁ?) ■

theme : 写真日記
genre : 日記

薪能・葵上

今日の担当:お父さん

「第八回たまがわ薪能」へ。演目は源氏物語を題材にした、「葵上」。

シテ(主役)は、梅若靖記さん演じる六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)で、光源氏の最も早い恋人の一人。

舞台の始まる前、ストーリーと見所について、関西弁交じりでユーモラスに解説頂いた。
 ・光源氏の正妻・葵上が病に臥せっている。巫女が祈ると、六条御息所の怨霊が姿を表した。
  御息所は嫉妬に駆られて、葵上を何度も打つ。家臣が呼び寄せた高僧が祈祷を始めると、
  "般若"の能面をつけた御息所が表れる。高僧と御息所の激しい戦い。高僧の力で、やがて
  生霊は成仏する、というストーリー。
 ・源氏物語の筋書きと違いがあるのは、作者(不詳)が源氏物語を読んでいなかったからで
  はないか。一方、能の「野宮」(ののみや)は、源氏物語に忠実で、作者(金春禅竹、世阿弥
  の娘婿)は、源氏物語を読んでいたのだろう。
 ・約250曲ある能の中で、般若の能面をつけるのは3曲のみ。その意味でもお得な舞台。


解説が終わると、会場のライトが消され、松明に火が入れられた。何とも幻想的。

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舞台が始まった。中央前方に、橙色の小袖が置かれる。この小袖一つで病の「葵上」を表すという大胆な演出が、実に心憎い。究極の削ぎ落とし、とでも言ったらいいだろうか。

台詞の多くはよく理解できなかったが(とほほ)、事前に解説頂いたお陰で、大筋は把握できた(と思う)。

見せ場の一つ、御息所と高僧の戦いは、腕を掴みあう訳でもなく、レーザー光線による派手な演出がある訳でもない。静かな動きで激しい戦いが表現される。身分の高い女性としての気品も漂わせる御息所の姿は、味わい深かった。

午前中は人形展、午後はバトミントンの試合を観戦し、夜は能舞台。昭和の世界から、平成を経て、鎌倉~室町時代に遡る。

"静"から"動"へ。スリリングな一日だった。 ■

theme : 写真日記
genre : 日記

能楽堂の夏

今日の担当:お父さん

3週間ほど前、国立能楽堂へ行った。

  夏スペシャル(企画公演) 「働く貴方に能楽公演」
     対談  林望(作家) × 茂木健一郎(脳科学者)
     狂言  文荷(ふみにない)  小笠原匡(和泉流)
     能    清経(きよつね)  武田孝史(宝生流)


一夜限りの、特別公演。

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最初は、「脳」科学者とリンボウ先生による、「能」対談。ジョークを交えた和やかな対談は、なかなか楽しかった。

リンボウ先生の印象的な言葉についての私的メモ;
  「能にはドラマティックな変化がある。ぐるっと回って何千里とか、お宮から出ると全員
   がお宮の中に入ったことになるとか。現代人が思いつかないトランスフォーメーション、
   変容が凄まじい。」
  「今の人のあり様を飛び越えて、この世とあの世を行ったりきたりする。私達が見失っ
   てしまったシャマニズム的な変容がある。」
  「能には風変わりな思考はない。エキセントリックなところはない。」
  「能は普遍的なHumanity(=もののあわれ)を、判りやすい形で提示している。」


続いて、狂言の「文荷」。

少年と恋に落ちた男性(妻持ち)が、少年への恋文を、使いの者(太郎冠者と次郎冠者)に届けさせる、という内容。主人から預かった恋文を渋々運ぶ、太郎冠者と次郎冠者のやりとりが面白い。「この手紙、重いなぁ」、「内容が重いからかなぁ」、「じゃあ交代で持とう」、「はい、交代」、「おいおい、早くないかい」、「手紙の内容が気になるなぁ、開けちゃおうか」、「それはまずいんじゃないの」、「どれどれ」、「俺にも見せてよ」、「おいおい、ひっぱるなよ」、「あっ...」、と続く。バイセクシャルな恋愛は、今日的な側面もある(かもしれないい)。まあ、eメールの時代だから、「恋文を運ぶ」物語は少ないだろうけど。

休憩時間の後は、能の「清経」。

平清経(清盛の長男・重森の三男)の妻のもとへ、家臣が訪ねて来る。家臣によれば、清経は戦の途中で追い詰められ、入水したという。遺髪を手渡された妻は悲嘆にくれ、遺髪を返納してしまう。その妻の夢枕に、清経の霊が現れる。妻は自害した夫を責め、夫は遺髪を返納した妻を恨み、互いに涙する、という内容。清経は当時21歳。若い夫を亡くした妻の悲痛は、察するに余りある。

なるほど、リンボウ先生の言葉通り、「文荷」も「清経」も、現代に続く普遍性を持っている。

能や狂言は、とっつき難さもあるが、なかなかに味わい深い。機会を見つけて、また行こうっと。 ■

theme : 写真日記
genre : 日記

茂木千五郎会

今日の担当:お父さん

千駄ヶ谷にある国立能楽堂へ。

先日、ランニング仲間のSさんから、「狂言の大蔵流・茂山千作先生の舞台は必見です。間違いなく日本一です」、というeメールを頂いた。

狂言? 大蔵流? 茂山千作先生? いづれも未知の世界。何故かとても気になり、行ってみた。

 【千五郎狂言会 第九回】
  「業平餅」 (なりひらもち)
     業平:千五郎 茶屋亭主:千作 傘持ち:正邦 茶屋娘:逸平 稚児:竜正・虎真
  「察化」 (さっけ)
     太郎冠者:七五三 察化:千三郎 主人:逸平
  「金藤左衛門」 (きんとうざえもん)
     金藤左衛門:千五郎 娘:茂


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会場に入ると、照明のあたった見事な舞台に、目を奪われた。

最初は「業平餅」。在原業平(千五郎)一行が、餅を食べようと茶屋に立ち寄る。お金がないので和歌を詠むと言うと、亭主(千作)は断り、代わりに娘(逸平)の宮仕えを頼む。その娘がとんでもなく...、といった話。千五郎さんには圧倒的な存在感と華があった。千作さんの年齢(90歳!)を感じさせない豊かな声量にも驚いた。東京では初舞台になるという竜正君と虎真君の、元気な声と足が痺れた様子も、愛らしかった。

次に「察化」。太郎冠者(七五三)は、主人(逸平)に頼まれて伯父を迎えに行くが、顔も家も知らない。大声で探し歩くので、悪者の察化(千三郎)がなりすましてついて来る、という愉快な話。七五三さんの渋い演技が際立っていた。

そして「金藤左衛門」。山賊の金藤左衛門(千五郎)が、女(茂)を脅して持物を奪い取る。山賊が喜んでいる隙に、女に刀を奪われ、女の持物ばかりか自分の小袖まで剥ぎとられてしまう、という逆転劇。迫力ある千五郎さんと豹変する茂さんの掛け合いが、実に面白かった。

どの演目も、シンプルかつ滑稽で、狂言初体験の僕でもとても楽しめた。千作さんから千作さんのひ孫さんまで、茂山家四代が揃った貴重な舞台も拝見できた。(休憩時間に、双子の竜正君と虎真君が無邪気にサインに応じる姿も、可愛らしかったなぁ)

歴史が育んだ、愉快な日本の伝統文化を、大いに楽しんだ。 ■

theme : 写真日記
genre : 日記

痴人の愛

今日の担当:人間のお父さん

演劇を見に行った。(歌舞伎、ミュージカル、オペラ以外の舞台を見るのは、ほぼ初めての体験。)

 『痴人の愛』
   原作: 谷崎潤一郎「痴人の愛」
   演出: 天願大介
   脚本: 天願大介
   会場: 神楽坂 die pratze
   出演: 池下重大、月船さらら、鴇巣直樹、出口結美子(声の出演)


谷崎潤一郎原作「痴人の愛」は、大雑把に言えば、"生真面目な青年が美少女の虜になり、肉欲に溺れて破滅していく"物語。

月船さららさんの演じるナオミ、そして天願大介ワールドに、ワクワク、ドキドキ。

場所は神楽坂。ステージの3辺を囲むようにコの字型に客席が並ぶ、小さな劇場。全部で90席くらいだろうか。

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舞台が始まった。レトロ調の音楽が流れ、奥のガラスに「痴人の愛」の文字が浮かび上がる。

突然、散らかった女性服の下から男性(譲治を演じる池下さん)が現われ、舞台の上をのたうち回る。飛び散る汗。苦悩と狂気。気迫溢れる凄まじい演技。

月船さららさんの体当たりの演技も素晴らしかった。無邪気な少女、妖艶な女性、そしてサディスティックな女性を、大胆に演じきる。譲治に馬乗りになる姿と、譲治にうなじの毛を剃らせる表情の艶っぽさが、殊更に印象的だった。

交差する時間軸や劇中劇(人形劇)で立体感を加えつつ、エネルギッシュな舞台を作りあげた天願大介さんの手腕も素晴らしい。舞台奥のガラスと照明を効果的に使う演出は、映画監督らしいとも思う。最後の方のシーン、ガラスの奥の大雨にも驚いた。

約2時間、ある愛の形、濃密な舞台を、たっぷりと堪能した。 ■


P.S.
今回の舞台を、食事に例えると何だろうかと、想像してみる。

主菜は、"ビーフ・ストロガノフ+ライス大盛り"。バターと生クリームを多めに使い、黒胡椒をたっぷり効かせて。

副菜は、豚バラ肉の煮込み、"東坡肉(トンポーロー)"。皮、脂身、肉の食感の違いと豊潤さ。八角の香りが心地いい。

月船さららさんをイメージしつつ、お酒を選んでみた。最初は、ボルドーの赤ワイン、"パヴィヨン・ルージュ・シャトー・マルゴー"。滑らかな舌触りと優しい気品。次も赤ワインで、"シャトー・デグイユ"。濃厚で官能的。最後は、メイドインジャパン、尾込商店の芋焼酎"神座(かみくら)"のお湯割りで、ほっくりと暖まる。

ああ、妄想は果てしなく、どこまでも暴走していく...。 ■■

theme : 写真日記
genre : 日記

プロフィール

Lafie & Papa

Author:Lafie & Papa
トイプードルのLafieの趣味は、くう・ねる・あそぶ。人間のお父さんの趣味は、ランニング、美術・音楽鑑賞、読書、ワイン・芋焼酎・その他飲食など。まあ、似たようなものです。
訪問頂き、有難うございます。

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